【問】
本県内の某市の製氷業者において、組合員の製氷をすべて組合を通して販売をする目的をもって事業協同組合設立の動きがあるが、これら事業につき次の点を照会する。 (1)組合規約で「組合員の製氷はすべて組合を通じて販売しなければならない」旨の直販禁止を行うことは、独占禁止法上からも差し支えないか。 (2)上記の規約に罰則を付する場合とそうでない場合とでは、法的に効果は異なるか。 (3)販売価格は、組合自体が定める価格であるので、「価格協定事業」に該当しないと考えるがどうか。 |
【答】
(1)協同組合の事業の利用を組合員に強制することは、その行為の内容が独占禁止法第22条但し書きに該当するもの、すなわち、「不公平な取引方法を用いる場合又は一定の取引分野における競争を実質的に制限することにより不当に対価を引き上げることとなる場合」でない限り差し支えないと解する。 したがって、ご質問のよう組合規約に組合員の製品の直売禁止を規定することは、独禁法22条の要件を満たしている限り差し支えない。 なお、組合事業の利用を強制することは、組合員の自由を不当に拘束する危険があること、また、農協法第19条において組合が組合員と組合事業の一部の専属利用契約を締結する場合は、契約の締結は組合員の任意としていることから、農協法第19条を類推して組合は組合員が自由意志により専属利用契約を締結した場合のほか組合事業の利用強制はできないとする有力な説があるので、慎重に行う必要がある。例えば、組合規約により行う場合でも、組合員全員一致による議決を行う等の配慮が必要であろう。 (2)組合事業の利用強制が適法と解される以上当然罰則を付けることは差し支えない。 (3)貴見のとおりである。 |
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